たぬきの冬
北の森に生きる動物たち
石城謙吉
本体2400円(税別)
2022年12月14日刊行
A5変形判・上製・216頁
ISBN 978-4-910149-03-5 C0045
装画・装丁:重実生哉
〝理屈抜きで動物好き〟の博士が暮らす不思議の森には、発見の驚きと喜び、笑いと涙があふれている――。
抜け目ないやつ、駄目なやつ、可愛らしいやつ、凄いやつ。キタキツネ、エゾタヌキ、ヒグマ、イタチやカワウソ。カッコウ、キツツキ、カケスにモズにクロツグミ……。北海道の山野を舞台に、多彩な動物が主役を演じる14の物語。
生態、変異、適応、すみ分け、種間競争、絶滅と保護。生きものと自然環境、拡大する人間社会が織りなす世界の多面性と奥深さを、明快でユーモアあふれる筆致で描く。科学者の観察眼と探究心、動物たちへの愛情と温かいまなざしが心に響く、珠玉のエッセイ集。
〈名著『イワナの謎を追う』(岩波新書)の著者による幻のデビュー作を復刊〉
石城謙吉(いしがき・けんきち)
北海道大学名誉教授。専攻は動物生態学、森林科学。1934年、長野県諏訪市生まれ。北海道大学農学部卒業後、高校教員を経て、同大学院修了(イワナの研究で農学博士)。1973年から23年間、北大苫小牧地方演習林長。同演習林の森林を総合的自然研究の拠点とするとともに、市民と自然の交流の場として開放。著書に『イワナの謎を追う』『森林と人間』『自然は誰のものか』など。